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いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
by ののちゃん
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いままでで一番通った店は、居酒屋だと思う。これは紛れがない。
それが一ヶ月に十日の飲酒。辛か~。 休肝日の過ごし方ってむつかしい。それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。う~ん、こちらは実感だなぁ。
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“ピュア”~私は・・・鳥になりたい・・・

 “ピュア”は、舞台俳優の堤真一が本格的なレギュラーに迎えられた初めての連続テレビ・ドラマである。作品は‘96年の製作で、渥美清が亡くなり、“Shall we ダンス?”が大ヒットした年だ。
 この物語の本質は、薄倖のヒロインのシンデレラ物語の変形にある。ミスター・チルドレンの主題歌“名もなき詩”を伴奏に、生まれつきIQが少し低いが、スモックを着た愛くるしい優香(和久井映見)と孤独な過去をもつ沢渡徹(堤真一)との純愛物語である。

 題材からすれば、これはステレオタイプのドラマから、ほとんど一歩も出ていないものである。が、優香の家庭での出来事が、ゆるやかに展開されている。ダイナミックなものを狙うかわりに、静的なタッチで優香の日常が描かれている。

 この作品では、優香が自宅のアトリエで創作をしたり、空を眺め、夭折した父を思い、明日の天気に思いを馳せたりと、屋内シーンが多い。
茶の間での母親(風吹ジュン)との会話からヒロインの生い立ちがだんだんと明確になるという構成をとっている。そこに、この作品の持つ散文詩的な心境と相通じる香気がある。こうした演出態度は、いささか月9のドラマではハイブラウであり、客観的な描写としてはよくできているのだが、作品全体に冷ややかな、暗いものすら感じられる。

 屋内の場面は、先のアトリエや茶の間だけではなく、いとこの涼ちゃん(高橋克典)が働く洋食屋、沢渡の勤務する出版社など、長くのびたパースペクティヴな構図その他、細心な技巧が施されている。演出は中江功ほかだが、同じ中江の映画作品の“シュガー&スパイス 風味絶佳”のバー“FUJI”は奥行きの広がりを欠き、窮屈だった。

 注目に値するのは雰囲気の描写と、これに関連する人物の扱いである。明るさを微塵も見せない堤真一を沢渡徹に選んだ理由も、この点でうなずけるような気がする。彼の暗さを突き詰めたものに、後に“39 刑法第三十九条”という佳作が生まれた。
 その代表的な例をひとつあげるなら、彼の幼児期を過ごした孤児院を訪れるシークエンスがそれである。そのほかに、雪道の冒頭、優香の家のそばの坂、夜の雑踏、海辺の街のシーンには孤影が漂っている。

 優香の動かし方のうまさは特筆すべきものがある。冒頭の雪の場面、走り方、鳥が飛び立つシーン、並んだ自転車を将棋倒しにするシーン、両手に紙コップを持ち風船をつかむシーンなど、歩き方や、手の動かし方で、その人物を浮びあがらせている。

 これに対し、表情の描写はどうだろう。優香のクローズアップは多いが、沢渡の場合はほとんど表情を用いていない。うつむきかげんの眼技だけに抑えている。それ故、かすかにもらした笑みの場面では、抜群の効果となった。優香の不満を持ったときの唇をかむクセや絆創膏を指先でなぞるシーンのアップは秀逸である。

 さらに、すこし動的な場面についてみると、優香と沢渡の絡みの場面では工夫されている。作品のレセプションの挨拶のメモ、沈黙、作品のテーマの発表の場面や、オブジェがうまくできずに冬の深夜に沢渡のマンションの外でしゃがみ込む優香の場面が、その典型である。
 残念ながら、クライマックスの工事現場での事故の場面は、無残な失敗に終わった。サスペンス以前の問題であり、興ざめである。

 さて、全体から概観した場合、冒頭述べたように、この物語は極くありふれた、平凡な内容しかもっていない。その内容に対して、演出がハイブラウに過ぎた。たとえば、収賄疑惑と復讐という横糸がうまくからんでいない。どうでもよいことにすら思える。もっとふくらみのある内容を持った脚本なら、かなりの傑作が生まれたかも知れない。

 が、沢渡徹の出さなかった手紙というのは、脚本の禁じ手だが、見事な内容を持っていた。雪の日から始まり春に終わる常套の手法も爽やかな味わいが残る。

 このころのドラマには興奮があった。

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by nonoyamasadao | 2008-01-23 16:27 | 雑文 | Comments(1)
Commented by ちい at 2008-01-24 19:38 x
はじめましてこんばんは。
コメントありがとうございます。今日も懐かしドラマの話で盛り上がってしまいました。「あーそうだったかも!」なんて、記憶を探り探りはなすのが楽しんですよね。
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