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いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
by ののちゃん
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 いままででの人生で、一番通った店は居酒屋だと思う。たぶん、これは間違えないと思う。それが今や、1ヶ月に10日の飲酒。辛いよ~。休肝日の過ごし方ってむつかしい。 それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。 う~む、ボクの方は、こりゃ実感だなぁ。
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秋の盛り、紅葉の季節の旅

  二十年も前の話ですが、我が生涯最高の宿がありました。でも二十年は古すぎですよね。ゆっくりしているのですよ、僕の時計って。。。でも、ゆっくりとだけど動いている。
実は、ゆっくりが悪いとも思っていないんですよ。

この間、本屋さんで立ち読みしていたら、我が生涯最高の宿は今でも“全国味の宿100選”東日本編名旅館(新潮文庫)になっていました。
すっかりゴキゲンになりました。
旅は10月の末か、11月の初旬の頃でした。

かなり遅れた夏休みをとって、東北地方に旅をしました。またしても、色気なしの旅でした。
東京から東北新幹線にのりまして、仙台経由で岩手県の盛岡まで行きました。
目的地は陸中海岸の方でして、旅の目的は“うまい魚をたらふく食べよう”ということでした。

盛岡駅からは、宮古行きの山田線に乗り換えました。まあ、列車の本数は少なかった。
雑木林の中を2両連結の列車がひた走る感じでした。

日頃の心掛けがいいものだから、天候にも恵まれまして、
深まりつつある秋の柔らかな陽ざしが列車の中にも降り注いでいました。

周りの景色は真っ赤や黄色に紅葉してました。
葉叢が落葉しないで、木に留まっていました。

列車の中は、
雑木林の木漏れ日の赤、黄の色彩が斑模様になっていました。
赤はカエデ、真っ赤に紅葉したナナカマドの葉や実、黄色はナラの葉でしょうか。

ところどころに、ムラサキシキブが紫の実をつけていました。

まったく人の手がはいらない、自然そのままの自生状態で色とりどりの紅葉が混じり合っていました。
その中を、列車が走り抜けてゆきます。やがて終点の宮古につきました。う~ん、よかったです。
いのちの洗濯ってヤツですよ。

宮古から、三陸鉄道北リアス線に乗り換えました。
そして、カンパネルラ田野畑という駅が目指す目的地でした。

カンパネルラ田野畑の駅はレトロ調でしたね。

かなり昔の雰囲気で懐かしい感じの駅の建物でしたが、メルヘン調につくったという感じもありました。
ご存知のように、カンパネルラというのは宮沢賢治の“銀河鉄道の夜”に出てくる女の子の名前ですよね。

空にはたくさんの星がまたたいていた。
ジョバンニは眠っていたのか、ふと気がつくと、ジョバンニは銀河鉄道の中にいて、
窓から外を見ながら列車の座席に座っていました。
そして前の席には青ざめた顔をしたカンパネルラも乗っていた。
二人を乗せた銀河鉄道は天の川に沿って走ります。
こうしてジョバンニとカンパネルラの二人の幻想の旅は、今、始まるー

な~んて、こんな感じでしたね。あ、また原作ぶち壊してしまいましたね。古い言葉で言うと、冒涜してしまいました。あ、いま冒涜というと、死語だといわれますよ。 

カンパネルラ田野畑駅の駅前に立つと、そのころだと何のお店もなかった。

さびれたというか、閑散としていると言うか。。。のどかもここまで来ると問題だよなあ、という雰囲気でした。
今はどうでしょう。たぶん、かなりモダンになっているのでしょうね。

と曖昧な書き方なのは、昔のイメージを壊したくないので、ネット検索をしませんでした。
もし関心がある方がおられたら、確認してくださいね。なにせ二十年前、ふた昔前のことを書いてますので。。。

駅前はちょっと坂というか丘のようになっていて、そこを過ぎると周囲は田んぼや畑が広がっていました。
だから、田野畑という駅の名前なんだな、と妙なところで感心したりしていました。

宿までの道を聞こうにも、誰もいない。
あちらこちらをほっつき歩いていました。
よよっ、ありましたよ。なにか?。

とうとう、みつけました。目的の“本家旅館”がありました。
ちょうど、午後の三時ごろに到着いたしました。

この旅館は知る人ぞ知る、すばらしい割烹旅館なのです。
三好達治、宮沢賢治など、おおくの文学関係の有名人が宿泊された由緒ある旅館なのでした。

今も、そのまんまだったら、築100年近くなっていると思いますよ。
当時でも一見民宿ふうで、お世辞にも小奇麗とはいえない。

ですがねえ、晩のお料理ですが、それは、それはお見事というよりありません。

記憶を手繰って書いておきます。
あわび、ほたて、なまこ、このわた、ほや、サンマのさしみ、戻り鰹、
いか、海たなご(美しい魚だけど小骨が多いから、普通は塩焼きかから揚げですが、ここの刺身は格別でした)、
アイナメ、カレイ、ヒラメ、岩がき、そしてタラの刺身、

焼き魚、ドンコ汁まで並びましたよ。

まあ、実に壮観でした。

タラの刺身のお話をさせてください。
僕は今日に至るまで、タラの刺身はあとにも先にも、ここで食したこと以外はありません。
また、料理屋さんでも見たことがありません。
もちろんタラちり、鍋料理なら、毎年たべていますよ。

で、そのお味はどうであったのか。

う~ん、タラの刺身はまったくの無味無臭で、歯ごたえもなにもなかった。
あえていえば、天麩羅にするキスの刺身に似たような、なんとも頼りないあじわいで、美味しいとも不味いともいえない。

つまり、刺身としてはたいしたことはない。たらの刺身には自己主張がありませんねえ。
なるほどどこにも出回らない訳だと、今は、勝手に納得しております。

で、旅館の朝メシはごく簡単に述べます。
朝から、イカソーメン、魚の塩焼き、貝のみそ汁、芽株、そしてご飯です。
芽株というのは、わかめの根元のことですよね。

納豆、オクラ、山芋(トロロ)、がネバネバ系御三家だとすると、
最近人気急上昇の芽株、あとキノコの代表としてナメコを加えると、
いわゆるネバネバ系が一応、網羅できるのではないでしょうか?

そして“本家旅館”を後にする時にオカミサンが追いかけてこられて、
自家製イカの塩辛をおみあげに頂いた。

ビンにはイカのワタがいっぱい入っていた。
こりゃあ、のんべえにはたまりませんわあ。

全部込みで、しめて一万円也でした。
これは本当にお安い。また、行きたいものですねえ。

クリスマスが近いでしょう。
毎年、この季節がくると、
流れた時間を思うと,茫然と立ち尽くしてしまいます。

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by nonoyamasadao | 2007-11-18 20:33 | 短編小説・詞・詩 | Comments(0)
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