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いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
by ののちゃん
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 いままででの人生で、一番通った店は居酒屋だと思う。たぶん、これは間違えないと思う。それが今や、1ヶ月に10日の飲酒。辛いよ~。休肝日の過ごし方ってむつかしい。 それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。 う~む、ボクの方は、こりゃ実感だなぁ。
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秋の日、ヌーベルバーグを想う

 前の“英国新本格の旗手と最後の日活ヌーベルバーグ~赤川・相米論 ”で、少し書いたけど、ニッサンテレビ名画座というテレビ番組がありました。
フランス映画がほとんどでした。“制服の処女”も見たけど、これはドイツ映画でしたね。

 ちょうど中学校から帰ってくるころに、始まっていました。中学まで歩いて2~3分の社宅に住んでいました。
そこで、見たのが若冠29才のミッシェル・ガスト監督“墓にツバをかけろ ”やカイエ・デュ・シネマの編集長のジャック・ドニオル・バルクローズ監督の“唇によだれ”なんですよ。
今にして思うと、前者はボリス・ヴィアン(ヴァーノン・サリヴァン名義の通俗ハードボイルド)の原作ですが、女の子を片っ端からモノにしちゃうお話ですからねえ。僕には、エロエロでした。
後者はカメラがぐるぐる回って、めまいがするみたいでした。

 あ、ヌーベル・バーグってこれなんだと思ったわけですよ。
ちょうどそのころから、畑で一人で暴れているだけの子供だった僕が、少しだけ内省的になったみたいです。ちょっとだけですけどね。

 石原慎太郎の“行為と死”や、大江健三郎”われらの時代”なんかを齧りだしたころだったんですね。
ノーベル文学賞をとれないで,先ごろ亡くなったノーマン・メイラーが、“20世紀は性と暴力の時代だ”な~んて言い出しましてね。勿論、メイラーは読んでいませんよ。。。あ、恥じています、ちょっとだけだけど。

 聞き齧りだけの知識なんですが、芸術っていうのは、エロスを描いたものでなくてはならない。。。
それも年寄りが書いたものではなくて、疾走感あふれる作品がそうなんだと単純に思い込んでしまいました。それと、なにかにカッとする抑えきれない苛立ちが描かれたものですね。
ですがねえ、これって、僕の中では今もって風化していないのかもしれない。
こう書いているとき、僕の実年齢なんか、もうどこかにすっ飛んでいるもの。。。相変わらずのおバカですねえ。アハハ。

その当時、テレビでは倒産した新東宝映画やどういうわけか日活映画がたくさん見れました。
その中で、燦然と輝いていたのが、土井通芳監督の“地平線がぎらぎら”と蔵原惟繕監督だったってわけです。
とりわけ、蔵原映画はタイトルバックがスタイリッシュだったなあ。鮮烈でしたね。けれど、もう蔵原を語る人は誰もいない。
増村保造は才人だったし、作品の数も多かった。いまも多く語られ、再上映もされていますね。
蔵原だと、“南極物語”と“キタキツネ”だけが話題になっている。これって、無念でしょうねえ。

 僕にとっての、蔵原惟繕の映画の魅力は何だったのでしょう?。
タイトルバックのモダニズム、モダンジャズと即興演出、デビューしてから5~6年間くらいまでの、アクロバティックな手持ちの映像かなあ。カッコよかった。
手持ちというのは、ハンディキャメラのことだけど、これって、カメラを振り廻せばいいのじゃない。頭に絵を浮かべて、眼で見てフレームを決めて、そして移動という風に組み立てるんですね。
多少の手ブレはアクチュアリティーの醸成でもあるから、まあ、よいのですけど、かなり緻密な計算ができないと、とんでもハップンになります。
 “憎いあンちくしょう”“何か面白いことないか”だと、タイトルがストップモーションの上に出てくるんだけど、ああいうの、カッコいいんですよね。

 タイトルバックのカッコよさだけなら“狂熱の季節”でしょうか。
僕は、“狂熱の季節”のように鮮烈で、華麗なタイトルバックの日本映画を、今もって知らない。
ラストは俯瞰のショットがあって“大人は判ってくれない”と同じで、ストップモーションでした。
まあ、ストップモーションはトリュフォーの方が先だったけれど。。。
 この映画は明らかにゴダールの“勝手にしやがれ”を意識して作られているけど、何の前触れもなく、突き刺すように二度三度と挿入されるロングショットが凄い絵になっている。
 
 和製ハードボイルド小説の草分けって云うと、正統派なら結城昌治、三浦浩、生島治郎とこの原作者の河野典生でしょうね。
しかし、最初のお三方はもう逝去されている。きょうは亡くなられた話題が多いですねえ。
十把一絡げみたいで、とっても失礼なんですが、合掌。
結城昌治も三浦浩も、文章が上手でした。けど、河野典生が一番、文学的芳醇があったように思う。蔵原惟繕では、“黒い太陽”も河野典生の“腐ったオリーブ”が原作だった。

 研ぎ澄まされているのに怒涛のように砕け散るマックス・ローチのドラムに奥さんのアビー・リンカーンの悲しい歌。。。
映像とビーバップがかくも見事に融合した日本映画を僕は知らない。
あ、マックス・ローチも今年亡くなったのですね。合掌。
ちなみに、大好きな中村八大は中国の青島生まれで、幾度となく,日本を脱出している。蔵原惟繕はボルネオ生まれで、映画のモティーフは処女作以来、“日本脱出”である。
もっとも敬愛するお二人ですが、僕の資質には、そんなものはないのですけれど。。。不思議だ。
 遺作は“ジ・エンド・オブ・パールハーバー HIROSHIMA 破滅への道”だが、米・日・カナダ合作のテレビドラマである。DVDでは見れるけど、いまだ見ていない。

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by nonoyamasadao | 2007-11-15 16:39 | 雑文 | Comments(0)
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