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いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
by ののちゃん
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 いままででの人生で、一番通った店は居酒屋だと思う。たぶん、これは間違えないと思う。それが今や、1ヶ月に10日の飲酒。辛いよ~。休肝日の過ごし方ってむつかしい。 それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。 う~む、ボクの方は、こりゃ実感だなぁ。
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季節外れ

 恥ずかしい話だが、桜桃忌の禅林寺を知らなかった。三鷹にある。二十五年くらい前、前の会社の後輩の祖父に不幸があって、禅林寺に行った。銀座の「ルパン」にも、昔よく行った。
ルックスだと、太宰とくらべても織田作が圧倒的にカッコいい。けれど、坂口安吾にハマっていた。
「桜の森の満開の下」が好きだった。ラストシーンの描き方が鮮やかだ。書く。

 男は孤独だった。頭の上には桜の花があった。ただひっそりと、ひそひそと花が降る。散り続けている。ただそれだけ。---

 本格推理小説ではないが、ネタバレはいい加減にして~と叱られそうだ。だが、男まで消えてしまった。これって、「怪奇と幻想の文学」なのか。怪奇と幻想という表現は、さすがに古いか。ポオとかラブクラフトのイメージをそう表現した。
そのほかにー井上陽水の「桜三月散歩道」という曲が彼の「氷の世界」という初期のアルバムにあった。
♪だって人が狂い始めるのは~だって狂った桜が散るのは~三月~
という歌詞を、まだ覚えてる。
そっか、桜の森の下で、みんな気がヘンになるのかと思った。

 さらに歳月は流れ、「贋作・桜の森の満開の下」(再演)という芝居を観る。
これには安吾の「夜長姫と耳男」が混じっていて、「雨月物語」と同じ趣向みたいだ。溝口の傑作「雨月物語」には、上田秋成の原作にモーパッサンの「勲章」が混じっている。
夜長姫は深津絵里、耳男は堤真一が演じた。
再演しか観ていないが、夜長姫はどういう仕掛けで消えたのか、わからなかった。
舞台一面に桜吹雪が、怖いくらい、ただただ舞う。いい芝居だった。

 良寛の辞世の歌に、「散る桜 残る桜も 散る桜」というのがある。
これなんか、永田町の人とかライトウィングの人が誤ってつかいそうだ。つかう人によってなまぐさかったり、破滅の美学にもなる。

 何度も繰り返すが、竹内まりやだと
♪満開の桜や色づく山のモミジを、この先いったい何度、見ることになるだろう(人生の扉)
がある。年々、実感が色濃くなり、しんみりする。

 異色の切り口もある。「徒然草」だ。でも同感だ。こうだ。
「八重桜は異様のものなり。いとこちたく、ねぢけたり。植ゑずともありなん。」
まあ、八重桜は邪道だと、ボクもそう思う。そう解釈している。

 今年はさくら三昧だった。ソメイヨシノ、河津さくら、彼岸桜系など、ゲッソリするほど見た。
山桜は一度だけ、めずらしい竹林に一本咲いていた。
山桜はうつくしい。森や雑木のなかに、ポツリと一本だけ咲くのを、過去に何度か見た。
なぜ一本だけなんだろう。どうやって、一本だけそこに根をおろしたのだろう。
ふしぎなことに、山桜は遠くから見るとピンクなのに、そば寄ってみると真っ白だ。謎だ。

 川上弘美選「感じて。息づかいを。」(光文社文庫)という恋愛小説アンソロジーがある。
その中に、「桜の森の満開の下」もセレクトされてた。
アンソロジーの中に、ショックだった短編がある。ショート・ショートといっていい。
伊藤比呂美の「山桑」だ。これは近来稀にみる、凄い傑作である。

by nonoyamasadao | 2007-08-25 12:36 | 60年代ポップス | Comments(0)
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