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いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
by ののちゃん
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いままでで一番通った店は、居酒屋だと思う。これは紛れがない。
それが一ヶ月に十日の飲酒。辛か~。 休肝日の過ごし方ってむつかしい。それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。う~ん、こちらは実感だなぁ。
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これって、終活

 来月の半ばに、引越しをする。
父、自宅にて急逝のあと、8度目の引っ越しだ。
46年間で、8回の引っ越しは、多い方だろう。
6年に1度の引っ越しになる。
なんかお役人みたい。。。というか、転勤族みたいである。
致命的に違うのは、行き先に宿舎など、用意されていないことである。
こーなると、趣味ですね。だから、引っ越し貧乏だ。

 引っ越しに当たって、まず、DVD収納ラック9台をDVDと一緒に、処分する。
くるくると360度ターンをするヤツである。
それでも、DVDは机の上やら、つくりつけの収納棚や、リビングの床にも散乱している。
一回ぼっきりのものや、何度も繰り返し見たDVDが、ランダムに散らばっている。

 え~い、一切合切、捨ててしまえ~。
DVDで見た映画やドラマで、楽しい時間を過ごしたが、過ぎてしまえば、ただのゴミか。
ちょっぴりさみしいけれど、ボクが死んでしまえば、無主物はただのゴミだ。
思えば、イヌやネコを飼わなくて、つくづくよかったなと思う。
 
 ついでに、長年、引きずってきた家財道具も処分する。
これが手ごわい。
亡父が無理して買ってくれた茶箪笥のような年代物がある。
なかには、ティーカップやグラスなどがたくさん収納されている。

 え~い、これも茶箪笥ごと、処分してしまえ。
ウェッジウッドだろうがなんだろうが、これみな、ただのゴミである。
ここで逡巡すると、なんだかんだと、使わぬ家具を温存することになるのだ。
使いもしないで、おいておくだけの高級家具よ、さらばじゃ。

 おっ洒落!!とか言いながら、一人悦に入って見惚れていたのが、ウソのようだ。

 かくして、冷蔵庫、本棚、巨大な整理ダンス、背広、資料などなど、一斉に処分した。
2トントラック3台分の粗大ゴミになった。

 ガラ~ンとしたリビングに一人でいると、ああ、ボクの中での昭和が、やっと終わったな。。。。という気がした。
昭和というのは、ボクにとって、茜色の夕日がさしていた時代だ。
でもそれは、サザエさんの世界でもなく、向田邦子さんの世界でもなく、ましてや、 ALWAYS3丁目の夕日の描く世界では絶対なかった。
映画に出てくる、昔はよかった風の懐旧は、嘘っぱちだ。

 ボクの昭和は、お台場っぽかったり、タマタカっぽかったりするのではなく、銀ブラ族の時代だ。
そんなころ、早朝、大手町の殺風景な地下道をせわしなく歩き、階段を上って、旧パレスホテルを抜けて,出勤した。
夜は、『セーラー服と機関銃』のエンディングのように、ごった返していた新宿紀伊國屋書店を横目に睨んで、新宿三丁目で飲んだ。

 これから先の時代は、誰もテレビも見ず、新聞など読まず、まして文庫本など読まず、CDなどもいよいよ聞かなくなるのだろう。
ボクもはじめて、スマホを買った。
スマホをさわっていると、なるほど、時間はどんどん経っていく。
何も考えない時間が流れた。な~んて彩りに欠けた時間なのだろう。
これ以上の、おバカにはなりたくないから、そうそうにやめた。

 昨晩、ボクはだだっ広いリビングで、濃い日本茶を啜り、四万十の青のりせんべいを齧り、井伏鱒二の『駅前旅館』を読んだ。
フム、やっぱ、本物はよいなぁ。
今日は、獅子文六の『箱根山』を読もう。
また、文庫本の本棚を買わなくちゃならないかもしれない。

 ああ、やっぱ、昭和は遠く、でも今年も、もうすぐ春が来るんだなあ。
頭の中に、銀座日航ホテル裏のバーの灯が、宵闇の中、青く灯っていたのが、ほんの一瞬蘇った。
 





by nonoyamasadao | 2019-01-30 20:18 | 雑文 | Comments(3)
Commented by 穴沢ジョージ at 2019-01-31 02:11 x
そうですか。引っ越してしまうのは少し残念。
地震とか大変だったと思いますが、その地は寝巻きさんにとても似合っているように思えたんだけどなあ。
尤も、僕は全く行ったこともなく、想像だけですみません。
大学があって路面電車が走っていて、多分古本屋もある。
寝巻きさんの文を読んでいると、いつも行ってみたくなったものです。
物をすっかり処分できるのはすごいですね。見習わねば。
Commented by nonoyamasadao at 2019-01-31 11:49
To 穴沢ジョージさん
>地震とか大変だったと思いますが、その地は寝巻きさんにとても似合っているように思えたんだけどなあ。
------
すいません。誤解を招くような書き方をしちゃいました。この地を離れるのではないです。正確には、今のところから、300メートルくらい離れた集合住宅への移動です。(w
そうですね、この地に来て、かれこれ25年以上になるので、第二の故郷で、この地が終の棲家になるでしょうね。
路面電車と古本屋と大学と・・・そう、好みです。
そちらほど、常夏ではないですが、ヤッパ、暖かいし、病院も多いから、年とって住むには、地方都市の方がよいかな。。。と、個人的には、そう思っています。
Commented by 穴沢ジョージ at 2019-02-01 01:14 x
そうでしたか。完全なる誤解でした。
いや、ホッとしました。
暖かい地方都市、病気してから本気で探しました。
で、結局今は、残念なことに、都市ではない完全な田舎。
でも、暖かい。だからいいか・・・っていう感じで、でも路面電車と古本屋は、やはり羨ましい。
せめて住まないまでも、そういう街を訪ね歩きたかった。
そういえば、都電も懐かしいですね。
あまり何系統も乗ってはいないけれど、角筈の電停とか、今は死語ですが、時々思い出します。
いかん、とりとめ無さ過ぎ。また来ます。
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