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いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
by ののちゃん
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 いままででの人生で、一番通った店は居酒屋だと思う。たぶん、これは間違えないと思う。それが今や、1ヶ月に10日の飲酒。辛いよ~。休肝日の過ごし方ってむつかしい。 それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。 う~む、ボクの方は、こりゃ実感だなぁ。
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昔のよすが

 元部長だった上司の年賀状に、春には退職すると書き添えてあった。
達筆とは程遠い、ミミズののたくったような字を書く方だった。
今になると、なんとなく達筆にみえた。
みんなの前で、当事者だけに分かるように一般論として小言を言うと、きまって当事者はノホホンとしてる。困っちゃうんだよねえと、こぼした。
それって、オレのことかとよく思った。いいや、オレなわけはないとかぶりを振った。
ボクにとっては、サラリーマン人生での恩人だった。
そうですか。定年ですか。
も少しすると、桜が咲き、桜は散って、月日は過ぎ去る。
人生は短くも美しく燃え(萌えではない)であるなぁ。。。と心の中ではもう桜は散り出す。

 大手町の21階での、金曜日の午後の長い会議が終わると、宵の時間になっていた。
いつものように、千代田線で北柏まで直帰しようと電話を入れると、浦安で打ち合わせがあるから戻って来いと部長は言う。

 仕方ねえなあと、ブツブツ言いつつも、東西線で浦安本社まで帰る。
なんのことはない。課員みんなで、これからしめ鯖の美味い寿司屋に行こうということだった。
週末の会社は殺風景で、ザワザワとせわしないが、独特の和やかな雰囲気がある。
 さっそく、老母に電話を入れる。
『あ、おれ。きょう、遅くなる』と言って、電話をすぐ切る。
受け手が『わかったあ』と言ったのが耳に残った。
ばかに若い声だった。しかも華やいでいた。
老母のわけはない。見知らぬ若奥さんに、間違い電話をしたのだ。
リカバリーのしようもなく、そのままにした。
 その家庭のその晩は、どんなだったろう。
まだ、オレオレ詐欺などというなりすまし詐欺などない、ケータイもない時代だった。

 元上司の年賀状は組織で仕事をする、昔のよすがのなつかしい空気を連れてきた。
ちょっとだけ、しあわせな気分だった。




by nonoyamasadao | 2012-01-09 10:25 | 雑文 | Comments(1)
Commented at 2012-01-15 23:13
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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