いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
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いままでで一番通った店は、居酒屋だと思う。これは紛れがない。
それが一ヶ月に十日の飲酒。辛か~。 休肝日の過ごし方ってむつかしい。それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。う~ん、こちらは実感だなぁ。
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与謝野馨さんを偲ぶー松本楼と堂々たる政治

 与謝野馨さんが亡くなった。9年前に書いた記事に、少し加筆して追悼文を書かせて頂く。

 日比谷公園内のレストラン「松本楼」で、日中首脳の非公式の夕食会が開かれた。松本楼の経営者は梅屋庄吉の末裔にあたるそうだ。梅屋庄吉は、中国の国民的英雄の孫文を物心の両面から支えた人だという。だが、今日書くのは松本楼にちなんだ政治の話だ。

 松本楼は、東京のセントラルパークの日比谷公園の中にある。日比谷公園は日本で初めての西洋風公園だ。野外音楽堂、噴水、花壇などがあり、昔の邦画には不可欠な公園であった。
松本楼は9月25日になると、10円カレーが食べられる。集まったお金はチャリティー募金になるそうだ。筆者が新入社員になったころ、勤務先は内幸町のNHKの向かいにあった。
松本楼は筆者が大学のころ、放火で全焼した。再建されたが、10円カレーは、後のことである。
昼休みには、よく日比谷公園に出掛けた。たくさんのOLがお昼を寛ぐ場所でもあった。風が強い日だと砂埃が舞い上がるが、時として思いもよらぬ目の保養の恩恵にも浴した。

 松本楼は日露戦争(1904年 - 1905年)の講和の結果、とばっちりでとんでもない災厄に見舞われた。
時代背景を大雑把に整理しておく。
帝政ロシアは苛烈な拡張政策をとり、それはイギリスのような資本の論理に従ったものとは性質を異にした。レーニンは、「軍事的封建的帝国主義」と表現した。
バルカン半島への進出を目指して、ドイツの反対にあって断念するや否や、その矛先を極東に向けるといったものだった。アジア諸国では欧米列強の植民地支配への鬱積した憤怒があった。

 日露戦争は日本にとってリスクの高い賭けである。日本政府内にも深刻な対立があった。
主戦派の桂太郎、小村寿太郎と戦争回避派の伊藤博文、山県有朋らの対立である。なかんずく伊藤博文と桂太郎の対立は以下の如くであった。
桂太郎は外務大臣に小村寿太郎を擁し、列強のイギリスと連携してロシアに対抗できると考えた。他方、伊藤博文は、ロシアと対決する力は日本にはないと判断し、自らペテルスブルグへ出かけ対ロ交渉にあたる。ロシアと妥協し、ロシアの満鉄支配を事実上、認めることで日本の安全を図ろうとする構想だった。
衛藤瀋吉先生の「東アジア国際関係史」の講義では、伊藤博文は政治的出自に於いて、人殺しを厭わないような輩だったが、政治の中枢になってからは、命がけでロシアとの戦争を回避しようとした。その識見はまさしく卓越し、周囲の反対にもかかわらず、穏当な意見であったと高く評価された。
だが、桂、小村らのリーダーシップで日露戦争に突入してゆく。

 日露戦争はギリギリの勝利となるが、1905年、セオドア・ローズベルト大統領の仲介による講和条約(ポーツマス条約)では、朝鮮に対する優先権、旅順や大連などの租借権、サハリンの南半分の領有権を手にしたが、賠償金は得られなかった。
賠償金の放棄は、どうにかこうにか勝たせてもらった日本であるから、必死の戦争終結努力の結果である。中途半端であれ、講和成立のためには詮無く引き返しも当然であった。
少しでも延びればロシアは必ず勝つという戦争の内情を知らない日本国民は、小村外交を不服として、松本楼、新聞社、交番などの「日比谷焼き討ち事件」と呼ばれるものを起こす。当時の松本楼でカレーを食べ、コーヒーを飲むのが、もっともモダンとされた時代だった。
焼き討ちの理由だが、自分たちの生活が賠償金によってよくなることを望む人たちの怒りの暴動であった。また、こうした小村外交を激越に弾劾したのは、「朝日新聞」であり、それに拠った東京帝国大学法学部の「七教授」であると、衛藤先生は指摘されている。(「近代東アジア国際関係史」、p.88,東京大学出版会)

 「戦勝はすなわち亡国の始めならん」と言ったのは徳富蘆花である。
 以下にまた、引用を記す。当節の政治家の本からの引用である。

 「私は、「どうして日本はあんなばかな戦争をやったのか」と考えることがある。そこで一つ思い至るのは、昭和10年代の政治家というのは、ほとんどイメージが残っていないということだ。」

 引用は、与謝野馨著「堂々たる政治」からである。
判断を誤り、戦争の引き金を引いたのが近衛文麿だと言う。また肝心なときに何の発言もせず、行動もしていない当時の政治家が、お粗末だったと言うのももっともである。
だが昨今もまた、残像のない政治家ばかりである。
与謝野氏も衛藤先生も、保守の人である。どちらかと言えば、筆者とはスタンスが違う人たちだが、凄みを帯びた知的廉直は人の心を打ち、かつ魅了する。(2008年5月9日)

 与謝野馨さんには、一度だけ会ったことがある。正しくは、サントリー・バーの、たまさか隣に座った人が与謝野さんだった。
そのサントリー・バーはトリス・バーが進化したのだと思う。
僕たちが学生時分から、行きつけだったくらいだから、銀座にあるのが不思議なくらいだ。
ストゥールだけのバーだ。新橋の銀座口そばに、十仁病院や喫茶店アマンドがあったころだ。僕もまだ、二十代の半ばころだった。
与謝野さんは地下のそのバーに颯爽と現れた。風のようにだ。
旧知であるらしいバーのマスターとの話しぶりから、新聞記者だと確信した。じつは、もう当選一回だった。
今、思うと、与謝野さんが、余命2年とガン宣告されたころだったと思う。
シングルの水割りを二杯飲んで、じゃあまた、と風のように去った。

 その与謝野さんが、金融・経済財政相のときのことだ。株の取引ミスに乗じて、利殖を目論んだ証券会社に対して、美しくないと短くコメントしたのが新聞に掲載されたのを読んだ。
ミスにつけこんだ経済行為を、美しくないといったのだろう。
政治家と美意識は対立概念のようだが、なぜか与謝野さんらしいと思った。
与謝野さんは、靖国神社A級戦犯分祀論者でもあった。
「君死にたもうことなかれ」の作者の孫だから当然であるが・・・。

 今、思い出すのは、小泉内閣時代の国会答弁で、野党から派遣についての見解を問われ、「同一労働、同一賃金は大原則だ」と、答弁したことだ。
野党議員も拍手した。
昔の保守の人には、たしかに品位がある人もいた。

 今の自民党には、もっとも必要な人であった。東京1区に向かって、合掌。

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by nonoyamasadao | 2017-05-25 13:28 | 雑文 | Comments(4)

柚子とポインセチア

 ここのところ、あまり、読書をしていない。
メガネの度数が微妙に狂っているので、目が疲れる。
裸眼の方が、よく見える。
読書は、仕事の本だけにしていた。

 映画と読書と食べ物くらいしか楽しみのないボクにとって、なんだか彩りに欠けるどころじゃあない。
たとえてみれば、読書抜きのボクなど、冷飯やぬるーいビ―ルのような、いよいよもって碌なものじゃない。
そういえば、季節の風景にも鈍感になって、色褪せた風景のようになっている気もする。
こいつはイカンですよ。
鬱々した我が人生の危機かもしれない。

 で、さっそく、メガネ屋さんで、遠近ではなく、近々メガネとやらをつくってもらう。
う~ん、新聞の文字が実にくっきり鮮やか。
日曜版に載っている記事の内容が、ばかに面白く読める。

 フム、やっぱ、お休みって大事だなと思う。
エンタメ系の活字から、随分と長いこと、ご無沙汰していた気がする。

 さりとて、たいした仕事などしていないのだけれど、お遊びにも、お休みが必要なことを知る。
たまには、DVDを見ない日とか、おしゃべりをほとんどしない日とか、朝ごはんを抜く日とか設けてみよう。

 よ~く、見えるメガネで、塔晶夫の『虚無への供物』の日経新聞の紹介文を読む。
ウ~ム、読みたい、読みたい。
あの素晴らしく長い、日本ミステリ史上燦然と輝く、最高峰のミステリを読みたい衝動が津波のように襲ってくる。
他にも面白い新刊書などないか、新聞の読書欄を眺めながら、日本茶を啜る。
あ、そういえば、このところ、コーヒーばかりを飲んでいた。
おいしい日本茶のおかわりを丁寧に淹れる。

 冬なのに、ばかに明るい午後の日ざしがリビングに伸びている。
そろそろ、柚子とポインセチアを買わなくっちゃ・・・だな。


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by nonoyamasadao | 2016-12-18 13:22 | 雑文 | Comments(0)

北村薫さんの新刊本

 いつのころからか、映画の舞台となっている風景に、しげしげと見入るようになった。

たとえば、『或る夜の出来事』は、たぶん、この地に来てから見た。マイアミからNYに向かうグレイハウンドの夜行バスが、とても気になった。

もちろん、ボーイ・ミーツ・ガールの恋愛物語の方程式の原型は、素晴らしいものだった。

『スウィートノベンバー』であれば、サンフランシスコの路面電車(muni)や黄色いタクシーのイエローキャブに目が行った。『ユーガットメール』なら、NYのアッパーウェストの秋から冬、そして春のホットドッグ店やスタバが興味深かった。

その昔、映画を思想と結び付けてみる裏目読みが流行した時期があった。

ボクの場合は、外国には一生行かないと思うので、旅行気分と食べ物に意地汚いことが、映画の背景好みの理由のようだ。


 北村薫さんの『太宰治の辞書』に、興味津々である。

最初期の『空飛ぶ馬』の、やや素人っぽさを残した上品で、爽やかなストーリーテリングと、きれいな文章が好きだった。

紅茶に砂糖を7杯も8杯もいれるような、実際、そのような人物も知っているのだけれど、『砂糖合戦』の着想のセンスや装丁の高野文子さんの簡潔で、洗練された絵が好きだ。

物語も、文章も、装丁もみな、瀟洒だなぁと思う。

どうやら、作者の友人で、ボクも知っているS先輩への鎮魂歌でもあるようで、やりさしの仕事が終わったら、ぜひ読もうと思う。

そうだった。『空飛ぶ馬』の出版祝いは、S先輩が音頭をとって、うなぎ屋さんでお祝いをして、当時の銀座東武ホテルに流れた。

そっか。あれから、25年も流れたのか。


 太宰治の『女生徒』を題材にした中編は、今から、いろいろと憶測してしまう。

『女生徒』は、ヒロインの独白だけで書かれたもので、太宰にしては破綻もあるが、言葉がキラキラしていて、この世代特有の女の子の生理的な感覚がビビッドで、ドキッとする。

うら若い愛読者の日記が下敷きになっているのは、知っているが、やっぱ、太宰だ。

フム、朝の目覚めの冒頭からして好きだ。

そして、「キウリの青さから、夏が来る。五月のキウリの青味には、胸がカラッポになるような、うずくような、くすぐったいような悲しさが在る」。。。っていうくだりは、忘れられない。

夕靄はピンク色とか、百合の匂いの透明なニヒルという言葉には、みずみずしいポエムがある。


 そして、ボクの座右の銘は、

”幸福は一夜おくれて来る。幸福は、――”である。

今もって、そう思っている。

ところで、ボクは今、熊本のどこにいるのかご存知ですか?


 前橋の秀才だった、亡くなられた世田谷在住のS先輩に合掌。↓は彼が好きだった詞である。



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by nonoyamasadao | 2015-05-24 11:53 | 短編小説・詞・詩 | Comments(0)

わたしのぼうし

  朝起きる。


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by nonoyamasadao | 2015-02-15 14:17 | 雑文 | Comments(2)

ロング・グッドバイ

 銀杏並木が冴え冴えとした黄色になり、ああ、錦秋の季節だぁと思う。
そう思うと、旅に行きたい衝動がドドッと殺到してきて、我ながら驚く。
原宿あたりは、もうすっかりクリスマス模様だろうな。

 旅と読書は、似ていると言ったのは、池澤夏樹さんだったかしらん。
たしか、どちらも、ほんのひととき、別な自分になる行為とか言っていた。

 う~ん、別な自分か。
けれど、いったい、自分とは何者かは、今もって、定かではない。

 ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。。。。だもん。
昨日の私は流されてどこかに消えて、今日の私が流れていく。
いったい、ワタクシは、どこから来て、どこへいくのかしら。。。と問うたのは、三木清センセイだったと思う。

 らしくないことを書いてしまった。
どうして旅に出たくなるのかとか、どうして人は恋をするのかとか、掘り下げて考えるのは、あんまり趣味ではない。

 地方都市のクリスマスは、それなりに華やかなのに、なぜかさみしい。
たぶん、喧騒がないからだと思う。

 ハードボイルド小説は、やっぱ、大都会の喧騒渦巻く夜を、孤独な中年男が無鉄砲に生きるのが、よく似合う。
この感覚は、年食っても、変わんない。

 どんな夜明けの五分前   どんな日暮れの五分前
 午睡からさめて      時計をみたら いつまでも五分前にはならないのだ

 五分前の寸止めか。
フム、田村隆一さん、カックィー。

 今、NHK土曜ドラマの『ロング・グッドバイ』のDVDを、毎晩、すこしずつ見ている。
憂愁の色濃い後期チャンドラーの名作であるが、やっぱ、違和感アリアリである。
そっか、『ロング・グッドバイ』の再訳は、稲葉明雄さんだけでなく、田村隆一さんでもよかったな。
ウィリアム・アイリッシュとレイモンド・チャンドラーは異質だと言ってきたけれど、やっぱ、つながっているよね。
素直じゃなかった。

 読んでもいないのに、申し訳ないが、村上春樹さんでは、読む気がしない。
毎年、春浅い宵、”ギムレットには早すぎる”とか言いながら、ライムジュースの入ったギムレットを飲んだ。
もう40年以上昔だが、背伸びしていたな。

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by nonoyamasadao | 2014-11-22 11:07 | 雑文 | Comments(12)

図書館

 最近、週に3回は、図書館に行く。
芝生の築山に、ケヤキのような百日紅の大木のある図書館である。
仕事の関係で行くのだけれど、この年になって、図書館通いをするとは、夢にも思わなかった。

 まあ、元来、図書館が似合うタイプではないよなあ。 
図書館といって、思い出せるのは、小学校と高校の時だけだ。
中学時代は記憶がないし、大学のときは、場所はよ~く知っているけど、一度も足を運んだことがない。
小学校のころは図書室で、図書係という役割があったけれど、マンガしか読まなかったボクだから、そんな当番がつとまるわけはない。

 最新の図書館は、新刊本の平置きがあったり、学生さんのオープンカフェのようなお洒落なつくりになっている。
今の人なら、シャレオツな図書館とでも、いうのかしらん。
図書館にいると、好きな果物の実のなっている森の中にいるようだと書いていたのは、誰だっけ?
川上弘美さんだったような気がする。
う~ん、才媛の誉れ高いですねえ。
あ、結婚式のスピーチみたいになった。

 でも、秋の日の図書館は、森の中を散歩しているような気分にはなる。
階段を女子学生がひそひそ話をしながら、降りてくる。
なんの話題か知らないけれど、なんだか、のどかで、ゆるゆるとした時間が流れた。

 あっという間に、時間は過ぎて、外に出ると、夜空に月がポッカリ浮かぶ。
リー、リーというコーロギの虫の音が聞こえる。
遠くなったり、近くなったりする。
誰かの小説を思い出して、月に向かって話しかけるような気分で、夜の空気のなかを帰る。
石に話しかけるのではないから、お迎えが来る心配はないよね。

 そろそろ、あたたかなニット帽でも被ろう。

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by nonoyamasadao | 2014-10-26 16:11 | 雑文 | Comments(5)

きらきらひかる

  ゴーヤのポン酢かけ、だだちゃ豆で、ビールを飲む。
秋の冷酒の季節になった。
カマスの炙りとコチの刺身を食す。
たぶん、カマスの炙りは、初めてのような気がする。
秋の冷酒はスッキリしているけれど、味わい深くも感じる。
お上品な香りを楽しみながら、下品にも、ズズズ~ッと啜る。

 タクシーで帰ると、あずき色の空の下、白と赤の百日紅の花が、ぼんやりかすんで見える。
そっか。
今年は、青空の下で、百日紅を眺めた記憶がないや。
いかんなあ、イカンですよ。
勤務先近くの樹木の多い住宅では、灯障りのモミジが、かすかに色づいたように見えたもの。
今年は錦秋が、早そうな気がする。

 自宅で、読みさしの江國香織さんの『きらきらひかる』を読む。
ある事情があっての再読だが、ほとんど、憶えていない。
『紫のおじさん』と呼ばれるセザンヌの自画像とユッカエレファンテプス(青年の木)を冷めた紅茶で育てるところは、思い出した。
う~ん、このあとで、山口雅俊Pの『きらきらひかる』を観たら、まったく、違った物語だったのを思い出した。

 秋の夜は、やっぱ、映画だよね。。。。ってことで、DVD『世界に一つのプレイブック』を観る。
方程式通りの展開だけれど、ちょっぴりビターだが、ロマティックな余韻がよい。
劇中、シナトラの♪Have yourself a merry little Christmasが流れる。
『恋人たちの予感』では、紅葉の時に、ビング・クロスビーのが流れたっけ。

 夜遅くに、久しぶりにテレビを見ていたら、三井住友海上あいおい生命の &LIFEの桐谷美玲さんのCMになった。
この人は、どこか、いつも不機嫌そうに見える。
CMだから、無愛想でよいわけはないけれど、なんか新鮮でよいなあって思う。
遠い昔、無愛想だけれど、ホントは気持ちのやさしい後輩に、卒論の清書をしてもらったことを思い出した。

 今の時代は、ワープロですからね。
きっかけとか、口実はどうやって、見つけるんでしょう。
大きなお世話ですね。

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by nonoyamasadao | 2014-09-20 14:25 | 江國香織 | Comments(6)

セプテンバー

 中秋の名月は、9月20日ころらしい。
秋の味覚を詰め込み、 紅葉を散らしたような。。。という豪勢な味覚の宣伝が、新聞広告に増えた。
紅葉を散らす。。。っていうのは、ワタクシ的には平手造酒の喀血や、あるいははにかんで顔をあからめる少女の形容だ。

 でもね、中秋といえば、風に揺れるススキときぬかつぎでしょう。
お月見というのは、そんなもんだ。

 中秋の満月の夜に、愛犬を連れてお散歩する若い女性の高校教師が、豊平川の河原で奇妙な武士に出逢う。
これは、原田康子さんの『満月』というちょっぴり切ない長編ロマンティック・ファンタジーだ。
映画になって、原田知世さんがヒロインを演じたけれど、これもよかった。
ロマンティックなタイムトラベルは、ロバート・F・ヤングばかりでなく、国産小説にもある。

 リーマン時代に、若いOLが、吉本ばなな(現よしもとばなな)の本が面白いといって本を貸してくれた。
う~ん、お父さんの吉本隆明なら、お世話になったけれど、むつかしくて、よ~くわかんなかった。
で、読んだ。
恋人と兄貴を交通事故で同時に失った男が、亡くなった恋人のセーラー服を着る話がある。
もちろん、アブノーマルではなく、ちょっと切ない。
川をはさんで、青い夜明けのかすみの中で、失った恋人と向きあう場面は、今も絵がうかぶ。
グッと来るところがあって、最近の若い作家も、OLの女の子も、なかなかやるじゃん。。。な~んて、傲慢にも思った。

『ムーンライト・シャドウ』って、タイトルだった。

 ムーンライトシャドウか。
月影とでも訳すのか。
中森明菜さんに『MOONLIGHT SHADOW ~月に吠えろ~』という曲があった。
でも、やっぱ、萩原朔太郎センセイの『月に吠える』でしょ。
その中の『恋を恋する人』は、当時としてはタブーだったのか、削除された。
まあ、あんまりボクの趣味ではない。
でも、なてたって、怖くなるほど迫力があるのはこれでしょ。
これは女装の詩で、空想するとゾッとした。

鏡のうしろへ廻ってみても、私はそこに居ないのですよ。お嬢さん!

 今年は意識して、月を追いかけているけれど、昨夜は月は見えなかった。
気分はもう、すっかり秋の空気の色に染まってますね。

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by nonoyamasadao | 2013-09-06 10:51 | 雑文 | Comments(1)

還暦過ぎのドリカム

 朝起きてしたことを書く。
トイレに行き、洗面所に行き、カーテンを開き、ベランダの窓を開ける。
空を眺め、今日は幾分、涼しそう。。。とか思いながら、深呼吸する。

 ソバ茶をつくり、仏壇にお供えをする。
仏壇のロウソクに、灯をともす。
100円ライタ―だけれど、子供の悪戯防止用だから、着火するのにかなり力がいる。
なによりも、時々、指先に火傷しそうで、なんだか危険である。
お線香の沈香、天壇を立てる。
古都の安らぎのような香りがするが、煙控えめなので、なんか温もりに欠ける気がしないでもない。
亡父はヘビースモーカーだったので、嫌味か、オマエなどと言われそうで、一考を要す。

 上腕式血圧計で、血圧測定をする。
110-70くらいだ。
どぶ水のような色の飲みにくい持病の飲み物をズ、ズズっと飲む。
何十年も飲んで、慣れたって、不味いものは不味いと気づいたのは、最近の発見だ。

 トースト2枚(パン・ド・ミ食パン)、スクランブルエッグ、ホウレンソウ炒め、ミニトマト、ポテト、薄切りハム3枚食す。
果物は、大分産のスイカだ。
やっぱ、塩をふると美味しいものだ。

 健診でカリウムが基準値を超えたので、毎日、食したバナナは3日に1度にした。
インスタント・コーヒーは、日に、濃いめの6杯は飲んでいたけれど、完璧に止めた。
そのかわりに、ティーバックの紅茶は、日に10回は飲んでいる。
何かを止めると、別な何かにハマるのは、ヤッパ、依存症のゆえんだろうな。。。と思う。
 
 DVDで、ロバート・F・ヤングの『タンポポ娘』の話が出てきてから、久しぶりにSFが読みたくなる。
ロバート・F・ヤングは、こっ恥ずかしくなるロマンティックなファンタジーの名手だった。
『タンポポ娘』の最後のバス停、白いワンピースは忘れられない。
『時が新しかったころ』のかぼちゃとキャンプのマシュマロやホットドッグは、最近だから、よく覚えている。
絵が浮かぶ小説って、いいなぁと思う。

 そっかあ。ヤッパ、ボクはロマンティックな時間旅行が好きなんだなぁと思う。
映画の『ある日どこかで』と『メイド・イン・ヘブン』は、同じ年に、見たのではなかったかな。
『天国から来たチャンピオン』の余韻が好きだったな。...と連想が広がる。

 過去のことばかり思うのは、年を重ねて、未来が描けないからだという説がある。
我がブログでは、未来を書いた記憶があまりない。老後は谷中に住みたいなと書いたくらいだ。

 実は、今もって、夢みたいなことばかりを考えている。
バカかって言われそうだが、還暦過ぎても、Dream Comes Trueなのだ。
 
 まっ、一つ、見逃してやってくれ。

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by nonoyamasadao | 2013-08-25 14:52 | 雑文 | Comments(2)

隣人愛

 谷川俊太郎先生のエッセイのあとがきを読んでたら、小学校以来、つけてない日記を書いてるそうだ。
そっか、ボクは小学校時代も日記など書かなかった。
だったら、このブログはボク的には、奇跡的なくらい長く続いてる。
たまに古いブログを読み返すと、ばかに一生懸命になっている記事がある。
これでもか~とばかりに、鉄アレイを持ち上げてるみたいに無理してる。
さすがにコッ恥ずかしい。
それでも、今はとうに忘れている、遠い昔のディテールなど読むと、そうだったんだぁ、すこし物忘れが入って来たなと思う。
こうして人間は、いろんなことを忘れ、年をとって行くのか。
日記は、過去の心にふと浮かんだことを、振り返るよすがである。

 日記で思い出した。
ドラマの『ビブリア古書堂の事件手帖』で、小山清著の『落穂拾ひ』の回があった。
老詩人の嘘の日記のこの小説は読んでいた。
大学の2年の晩秋の寒い日、コタツにもぐって読んだ。
そのころ、サッカーで体調を崩していたので、読み終わって、人恋しくなったのを憶えている。
実録かどうか、それは言うまでもない。。。って終わり方が、リドル・ストーリーぽっくて、同じ作家の『小さな町』も続けて読んだ。

 大学の教養ゼミに行くと、貧しい本屋さんの優しい少女と真逆の、優雅で美人の絵描きの友だちが、教えてくれた。
ゼミでは、シャルル=ルイ・フィリップの『朝のコント』(Les Contes du Matin)を、原書で読まされてた。
絵描きの友人は、小山清の『小さな町』よりも、フィリップの短編集の『小さな町で』(翻訳もの)の方が、面白いという。
タイトルはもう忘れたが、例によって、腕組みなどして、それは・・・って話してくれたのだと思う。
子どもたちが親に内緒で、パンやチーズをもって、木箱で作った車で遠出する。
子どもたちの冒険の旅だ。
遅く帰って来ると、親はカンカンになってて叱られる話だった。
これは文庫本は見たことがあるけど、読んだのではなく、彼女の話を聞いただけだと思う。
ずっと下って、ロブ・ライナー監督の秀作『スタンド・バイ・ミー』を見た時、同じテイストだな。。。って感じた。

 調べたら、最近になって、『小さな町で』で、朝のコントの数編も同時収録されて出版されてるようだ。
これは買わなくっちゃね。
考えてみたら、シャルル=ルイ・フィリップの方が、芥川 龍之介先生の『トロッコ』よりも早かったんだなぁ。

 ああ、ボクは恋愛というより、隣人愛に支えられて生きてきたなと切実に思う。
初めてのガールフレンドはお隣で、お医者さんごっこもご近所で、地図を借りたのも隣の机の子で、大学も職場もつきあった人は、みな隣人だった。
♪私は人を呼ぶ、すると世界がふり向く、そして私はいなくなる。。。そんなふうに生きてきたんだな。 

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by nonoyamasadao | 2013-08-22 12:01 | 雑文 | Comments(0)