いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
by ののちゃん
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いままでで一番通った店は、居酒屋だと思う。これは紛れがない。
それが一ヶ月に十日の飲酒。辛か~。 休肝日の過ごし方ってむつかしい。それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。う~ん、こちらは実感だなぁ。
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<   2016年 09月 ( 4 )   > この月の画像一覧

松木ひろしさんを偲ぶ

 都会派コメディーの作家、松木ひろしさんが亡くなった。
高校生の頃に、ビリーワイルダーとI.A.L.ダイアモンド脚本のソフィスティケーション・コメディーが大好きになった。
日本の喜劇映画は、どうにも泥臭く、ウェットな人情ものが宿痾であった。
だから、どのようにうまくできていても、渥美清の寅さんは評価しない。
やっぱ、湿った感じは好きになれない。

 『アパートの鍵貸します』の哀愁は、乾いた哀感である。
ビリーワイルダーとI.A.L.ダイアモンドとまではいかなくても、ブレークエドワーズやハリーカーニッツの『ピンクの豹』や『暗闇でドッキリ』のような作品を心待ちにしていた。

 そ〜んなころに、松木ひろしさん脚本の石立鉄男ドラマが始まった。
それまでの石立鉄男さんには、安田道代さんを人質に立て籠もる『殺人者』のイメージが強烈だった。
悪漢だが、やがて、人質の安田道代さんと恋に落ちて、最後は自殺する役柄だった。
いってみれば、W.ワイラーの『コレクター』の原作のジョン・ファウルズの前半部分のような映画であった。
三島由紀夫原作、蔵原惟繕監督の前衛映画『愛の渇き』も、忘れ難い。
寡黙な園丁の使用人役で、若く引き締まった、すこし粗野な肉体に、浅丘ルリ子さんが魅かれていく役どころだった。
そうだった。彼は新劇の出身だった。

 岡崎友紀さんとの『おくさま18歳』のころから、はっちゃけた役柄が定着したように見られているが、その前に隠れた佳作の『S・Hは恋のイニシャル』がある。
これは、松木ひろしさんの石立ドラマの原型(後の『おひかえああそばせ』、『雑居時代』etc)のような作品で、大坂志郎さんの家に転がり込むパターンも、この作品からだ。
主人公は布施明さんで、ハンカチを貸してくれた一目惚れの謎の女性が、伊東ゆかりさんだった。
物語は、この女性をひたすら探し続けるわけだが、最終回に、伊東ゆかりさんは再び、ちょっとだけ登場する。

 松木シナリオの定石では、大坂志郎さんは男やもめで、娘たちだけの家庭に、アフロヘヤーの石立鉄男さんが、どういうわけか、いきなり転がり込む。
美女たちの一人(たとえば、大原麗子さん)と、いつも、ののしりあいながら、くっつきそうで、一向に進展しないという、隔靴掻痒な感じが、古ーい、恋愛臆病者のボクには、ぴったりだった。
大原麗子さんとのののしり合いが、なんとも快調なテンポで、都会的なセリフが飛びかう。
このへんが、渥美清さんだと、どーも陰気っぽくなる。スラップスティックなお遊びも満載だった。
松木ドラマは、どちらかといえば、ジャックレモンやトニーカーティスのオーバーアクションのタッチである。
二枚目か二枚目半が、三枚目を演じているふうでないと、そうはならない。
『雑居時代』など、その典型だった。

 松木ひろしさんは、当初、脚本のはこがきができなくて、東宝映画で学んだと、どこかで書いていた。
たぶん、『サラリーマン目白三平 女房の顔の巻』が、井手俊郎さんと共同脚色だから、井手さんから習ったのではないか。
石原慎太郎さんも、井手さんから習ったと書いていた。
植木等さんの『ニッポン無責任時代』(第一作目)は、じつに、愉快痛快な共同脚本(田波靖男)だった。

 松木さんが、コメディ―作家になる前には、日本テレビで、日活の監督が演出した石坂洋次郎シリーズが、何作もあった。
長い連続ドラマの面白い、ストーリーテリングの下地になったのではないか。
 また向田邦子さんと『七人の孫』や『だいこんの花』など、交代で書いていたことがある。
前者は、いろいろな作家が書いていたが、後者になると、松木脚本の方が、断然、面白い。
森繁さんと竹脇無我さんの掛け合いの「片方がいじると、片方がすねる」という会話の妙は、テンポよく、絶妙な間があった。
まるで、社長シリーズの森繁さんと小林桂樹さんの掛け合いのようだった。

 長いこと松木ドラマを見続けていると、ときどき、松木ひろしらしさが失われ、そろそろ、限界かもなあ。。。と思っていた。
そ〜んな時に、’80年代の『池中玄太80キロ』が始まり、再び、やっぱり、松木ドラマは面白いなあと再確認する。
やっぱ、通信社の報道カメラマンのシチュエーションが、な〜んとも賑やかで、時間に追われる仕事特有の興奮があった。
西田敏行と三浦洋一の掛け合いがドラマのお約束で、毎回、大声で罵倒しあい、ののしりあい、また仲良しに戻るというパターンが快調だった。
ボクは、 坂口良子さんのファンだったから、くっつきそうで、くっつかない、引っ張って、引っ張っての恋愛ドラマが面白かった。

 松木ドラマのエッセンスは、現代風俗と、お洒落会話と都会的洗練であった。
当時、謎だった葉村彰子さんという作家は、どうも、向田さんなどの作家仲間の合作の名前のようだ。
『水戸黄門』や『大岡越前』などあるが、ボクには、あまり、面白くなかった。

 松木ドラマは、’60年代半ばから、’80年代後半まで、約20年間、ボクの鬱屈した青春時代の一服の清涼剤のようだった。あらためて合掌。
考えてみれば、脚本家が原案を名乗れたのは、彼の功績だろうと思う。
大好きだった坂口良子さんも、大原麗子さんも、石立鉄男さんも、みんな逝ってしまった。
とても、さみしい。
 
 そういえば、『フルーツポンチ3対3』とか、『レモンスカッシュ4対4』とか、『水蜜桃は青かった』とか、お洒落なタイトルも魅力だったなあ。


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by nonoyamasadao | 2016-09-22 18:36 | 洗練コメディー映画 | Comments(0)

土曜日の新幹線

  先週の土曜日、博多まで出かけた。
以前なら、ちょっとした遠足気分だった。

 子供のころ、杉並の堀ノ内(川崎の堀之内じゃあ、ないですよ。念のため)の妙法寺とか、井之頭公園とかに遠足に出かけた。
まあ、学校の授業脱出のだいご味は、小学校や中学校までだった。
高校になると、もう、ずる休みとか、登校途中で気が変わって、有楽町まで映画を見に行ったりする、遊びをおぼえた。
今なら、自主休講とかいうのでしょう。

 今や、熊本ー博多が、新幹線で38分だから、東京のリーマン時代の通勤時間の半分より速い。

 帰りの博多駅の新幹線のチケット売り場が、あれれ~、混んでる。
ラーメン丼の四角い渦巻に入り口と出口がついたような囲いに、列ができてた。
昔は、囲いなどなくて、並びの列はジグザグになったり、どこかで微妙に曲がってたりしたのを、思い出す。
ああ、昔は、すべからく、秩序的でないのが、みょうーな魅力だったよなあ。
無くしてから、はじめて気づいた。

 新幹線に乗ると、午後の四時過ぎの窓の外は、青い空が広がっている。
明るい。でも、まぶしくはない。
ところどころで、サルスベリの花を見つける。
通路を隔てた座席では、おじさんが、缶ビールを飲んでる。

 ああ、もう少ししたら、秋だ。
マツタケでなくても、シメジやマイタケ、ナメコなどのキノコ狩りにも行きたいなあ。
キノコは、ボクの好みのタイプの、コナラ、クヌギ、ブナ、ミズナラなどの落葉樹の根元に生える。
もっとも、『センセイの鞄』じゃないけれど、毒キノコには、気をつけなくっちゃね。
助かる前提なら、一度くらいは、ワライダケとやら、食してみたい気がしないでもない。
いや、冗談です。よい子の皆さん、マネしないでください。

 そろそろ夕方になるなあ。
ハギや桔梗の季節がすぐそばだ。
ほとんど揺れない新幹線で、少しくらい揺れたほうが風情があるのになあ。。。などと思う。
まことに、勝手なものである。
通路の向こうでは、おじさんは、まだ、ビールを飲んでいる。

 午後の日ざしが、まだ明るい。


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by nonoyamasadao | 2016-09-12 12:28 | 雑文 | Comments(2)

さみしいから、アップカミングガールズでも、聴きますか。

  深夜、寝室の窓を全開にして、周囲の景色と月のありかを確認して、深~く深呼吸して寝る。
それが、慣習になったのは、今の集合住宅に引っ越してからだ。
それも、9年目になるのか。早いような、遅いような・・・だ。
昨日の真夜中、かすかにキンモクセイの微香が漂っているような錯覚に陥った。
けれど、まんざら、錯覚でもないような気もする。

 朝晩、少し、秋めいてきた気がする。
ボクの精神状態では、そうである。
暑いのはヤダな、38℃になるのは、ガクブル。。。という気分は、もうない。

 スーパーに行くと、お上品な風情の柿が並んでいる。
太秋柿というのも、この地の特産だか定かではないが、やわらかく、中途半端な感じで、好みではない。
サラダ感覚というのだろうか。
 柿は、そんなものではない。
歯が折れそうなくらいに、ガチガチに硬いものだ。
でも、ゴマが入っていて、齧り付くと歯ごたえ十分すぎるぐらいで、乾いた柿特有の爽やかな甘さが、口中に広がった。
ああ、柿はハードボイルドな果実だった。

 老母が美容院に行っている間に、ちゃちゃっと、遅れていた仕事をやっつける。
声を出して、原稿を読み上げる練習をしたりするので、人がいると、とてもこっ恥ずかしい。
それは、読み上げる時間を計算するためだが、結婚式のスピーチも、最近では、あまり長すぎると思わなくなった。
それって、こちらの時間の幅が長くなったのか、客観的に、短くなる傾向にあるのかは、よくわからない。

 秋が来ると、思い出すことが一つある。
ボクに、文才がないことに起因する思い出だ。
 作文がまったくダメで、とにかく、書くとなると、思いつくことがな~んもない。
今、内容空疎でも、こうして書いていることが、夢のようである。
たぶん、大学の同好会で、倶楽部ノートに誰もみな、毎日、何かを書くのが約束事だったためだろう。
 
 亡父が、小学校2年生か、3年生のボクの宿題を、めずらしく手伝って、全部、一人で書いてくれた。
宿題の詩を代作してくれた。

 覚えているのは、以下のフレーズだけだ。

 秋が来た、秋が来た。
八百屋さんに黄色いミカンが並んでいて、秋が来た、秋が来た。
 
 って、ところだけ、60年近く前なのに、今も覚えている。
父は意外と、作文が好きだったのかもしれない。な~んとなく、そんな気がする。

 秋が来たって、夕暮れに誘われて、街角に立つことは、もうないだろう。
サンマの煙がもうもうと立つ光景に、出っくわすこともない。
もう何年かたって、朝、燃えるようなモミジの紅葉を見に、散歩に出かける日々なら、それは幸せってヤツだろうなと思う。

 街は色づくのに~、逢いたい人は来ないか。そのような経験は、今も昔も、なかった。
さみしいから、AKBのアップカミングガールズでも、聴きますか。


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by nonoyamasadao | 2016-09-09 21:28 | 雑文 | Comments(0)

スクリーンミュージック

 穴沢ジョージさんのブログを拝見していて、そういえば、昔は、スクリーンミュージックのラジオ番組があったことを思い出す。
スクリーンミュージックのベストテンでは、『エデンの東』とか、いつも上位だったような気がする。
映画を見ないのに、音楽だけで、『エデンの東』は名画に違いないと、勝手に想像を膨らませた。

 『デート ~恋とはどんなものかしら~』を見ていると、映画の話題でマニアックな論争が繰り広げられる。
松重豊さんが、「スティーブ・マックイーンといえば、『大脱走』と『荒野の七人』でしょう」と、したり顔で、切り出す。
フム、たしかに、『大脱走』と『荒野の七人』は、ジョン・スタージェス監督らしい、スカッとした画面構成とテンポよく展開されたアクション映画だった。
こういうテンポがよくて、ワクワクする娯楽映画は、近年、とんと見ない。
すかさず、長谷川博己さんがたしかにそうだけれど、「『ブリット』を見なきゃあ、マックイーンファンとは言えない。そして『ゲッタウェイ』と『パピヨン』が続く」とのたまう。
そっかなあ、『ブリット』のカーアクションは、確かに伝説的である。
英国の俊才のピーター・イェーツは、この出来があまりに良すぎて、爽やかな青春映画で、自転車レースが楽しい『ヤング・ジェネレーション』や、彼が撮ったとはとても想像できない渋い傑作『ドレッサー』まで、長~いスランプに陥った。
けれど、『ゲッタウェイ』と『パピヨン』はたしかに大作だけれど、そ~んなにマックイーンの代表作かしらん。

 だったら、やっぱ、『シンシナティ・キッド』じゃないかい。
E.G.ロビンソンの圧倒的な貫禄と、サスペンスフルなスタッド・ポーカーと、ラストシーンの靴磨きの少年のシーンなど、今でも、余韻が残っている。
ああ、あのころのスティーブ・マックイーンは、たしかに好漢だった。

 じゃなければ、小学校の低学年の頃に見た、賞金稼ぎのテレビドラマの『拳銃無宿』は、忘れがたい。
宮部昭夫さんの吹き替えで、スティーブマックイーンが、妙に、老けて見えたっけ・・・。
考えてみりゃ、何をいまさらだが、ボクはかなりのオタクだったなあ。愚かにも、今にして、気づく。

 スクリーンミュージックで追いかけたのは、たしかにデビ―レイノルズの歌う『タミー』が主題歌の映画は、一生懸命探したけれど、とうとう見れなかった。
幼心に、切々として、せつない気分になった名曲だった。
子供のころ、きれいなお姉さんとして憧れた園まりさんが、♪あなたにほほ寄せて ささやくしあわせ・・・と歌う『女王蜂』は、曲先行で、なけなしのお小遣いを払って映画を見に行った。

 ほかには、Dreamという曲が、夢見るように素敵だった『足ながおじさん』は、曲が聞きたくて、電車に揺られて、千葉のほうの名画座まで出掛けた。
すごく満足して帰ったけれど、Dreamが、『足ながおじさん』のオリジナルでないと知ったのは、ずっと下って、中年に差し掛かったころだった。
あれは、ショックだったなあ。


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by nonoyamasadao | 2016-09-01 18:22 | 雑文 | Comments(0)