いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
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カテゴリ:本格パズラー( 3 )

本格長編ミステリベスト15(国産)

 最近、推理小説をあまり読んでいない。

 かなり若い頃に夢見た人生のブループリントだと、僕の年令のころになるとー
ロンドンの郊外に住んで、この季節は暖炉の灯りで、英国推理作家協会(CWA)賞のミステリを読んでいるはずだった。

 緑が見えるところに住んで、おいしい紅茶を飲み、
日曜日になるとバラつくりに勤しんでいるはずだった。
まあ、予定は未定ではあるが、とんでもない方向へ脱線してしまったものだ。

 あ、紅茶の話題だが、
穴沢ジョージさんが素敵なブログを書いている。
(http://plaza.rakuten.co.jp/ageorge/diary/200711110000/)
だが、僕はミルクティーが苦手である。根拠はないが、人工栄養で育ったからかもしれない。

 こういうのが、ありました。
♪私は熱い ミルクティーで
♪胸まで灼けてしまったようです

 山口百恵さんの“横須賀ストーリー”ですね。阿木耀子さんの傑作です。

 さすがに恐れ多くて躊躇したのだが、当初のもくろみではLSE留学という夢物語を前提にしていた。
厚かましくも、お恥ずかしい。出発点から設計ミスである。だが、現在を後悔しているわけではない。

 さて、どうして推理小説をあんまり読まなくなったのか。
結構、国産の本格推理小説も善戦健闘している。立派なものだと思う。

 先だって、本格短編ベスト10(海外)をセレクト(そんなに苦労して夥しい中から選んだのではない。。。というより、やっと青息吐息で捻り出したというのがホントのところだ)したときに、
ふと最近の本格について語る資格がないなあ。。。と思った。

 京極堂や森博嗣のどこが面白いのか、理解できないのである。やっぱ、時流からかなりずれが生じている。違和感はあるのだが、どこから来るのか判然としない。

 そこで、“週刊文春 日本ミステリー・ベスト100リスト(1985年)”のベスト20と、
僕が選んだベスト15を並べて、比較してみよう。
僕のは古色蒼然としているから、1985年でも新し過ぎかもしれない。

 ごく、一般的には1985年の資料は古いのだが、年間ベストが多いわりに、
オールタイム・ベストは、ネット検索だと週刊文春のが一番あたらしい。検索の仕方が悪いのかもしれない。
まあ、ほぼ四半世紀前のリストとの比較である。

 僕は音楽でもグッド・オールド・デイズに生きているから、オールドファッションも止む無しだ。

 1969年~1973年の頃の話だ。
ミステリと映画があるだけで、しあわせな毎日があった。
ミステリや映画の後の夜の喫茶店でのダベリに、虹が輝やいた。

 本格だと、ピーター・ディキンソン“英雄の誇り”、ピーター・ラヴゼイ“死の競歩”、ジョイス・ポーターの“切断”が訳されたころだ。
冒険小説では、デズモンド・バグリイやハモンド・イネスの頃だ。

 全て英国作家だ。カーもヒッチ師匠も、英米作家だと思っている。

 はじめてのデートのとき、早川ポケミスを持っていた。
もう二度と、あんな楽しい時代はぜったいに来ない。
けれど、ひょっとしたら再び。。。な~んて、思いながら死んでいけたら、最高の人生だなあと思う。

 ミステリの王道はやっぱ、本格推理小説だった。本格以外は、変格などといわれた。
密室に代表されるような不可能犯罪の謎解き探偵小説が正統的であった。

 一方で、ハメット=チャンドラー=ロス・マクのような良質なハードボイルド小説があった。ロスマクはまだ、現役だった。
コーネル・ウールリッチやパトリック・クェンティンのようなサスペンス小説があり、
レン・デイトンのような華麗なスパイスリラーの詩人もいた。ギャビン・ライアルのような渋めで、巧緻な冒険小説もあった。

 好みではなかったが、軽ハードのカーター・ブラウンもブームだった。

 そんなときに、都筑 道夫さんの“黄色い部屋はいかに改装されたか?”という本格推理小説への問いがなされた。
今となると、都筑 道夫さんの真意が奈辺にあったのか不分明なところもあったが、たぶん問い自体は正論だったと思う。

 都筑 道夫さんはEQMMからの近代ミステリの功労者であり、ミステリへの愛は江戸川乱歩に匹敵する。
しかし、なんでこんなアカデミックになられたのでしょう。ミステリの方法論の論争を仕掛けたのだ。

 都筑 道夫さんだから、ぜったいに理由はある。ほとんどのミステリはいっとき、原書で読まれた。
きっと、なにかに目覚められたのだろう。彼は分析的思考に沈潜した。
つまりー

 真犯人は誰か?犯人の意外性の追及はあんまり、有意味ではないと主張した。

 たとえば、トリック自体はさほど意味などない。そして論理の構築物としてのミステリを提唱された。
論理の構築物であるミステリは、その論理が解き明かされる過程でサスペンスが醸成され、そこに本格推理小説の醍醐味が極まるのだと説かれた。

 そして都筑 道夫さんはご自身で“七十五羽の鴉”、“最長不倒距離”、“キリオン・スレイの生活と生涯”など、理論の実践化を試みた。
これら作品は出来不出来はそれぞれ議論があったが、まさしく“隗より始めよ”であった。
この態度は、賞賛されて然る可きであろう。立派だな、えらいなと思う。

 そういえば、“謎解きの明瞭性”や“論理のアクロバット”などという、言葉もあった。
ミステリはアカデミックに分析しようと思えば、
飛鳥高の“細い赤い糸”のようなミッシング・リンク・テーマであるとか、
レッド・ヘリング(赤いニシン)のような伏線について、本格研究する材料はたくさんあると思う。

 だが、個人的にはあんまり生産的な議論だと思わない。

 閑話休題。

 “週刊文春 日本ミステリー・ベスト100 リスト(1985年)”からベスト20に絞り込んで、掲げましょう。

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1.獄門島           横溝正史
2.虚無への供物        中井英夫
3.点と線           松本清張
4.不連続殺人事件       坂口安吾
5.黒死館殺人事件       小栗虫太郎
6.ドグラ・マグラ       夢野久作
7.本陣殺人事件        横溝正史
8.黒いトランク        鮎川哲也
9.戻り川心中         連城三紀彦
10.刺青殺人事件        高木彬光

11.山猫の夏          船戸与一
12.大誘拐           天藤真
13.二銭銅貨          江戸川乱歩
14.陰獣            江戸川乱歩
15.ゼロの焦点         松本清張
16.11枚のとらんぷ      泡坂妻夫
17.亜愛一郎の狼狽       泡坂妻夫
18.飢餓海峡          水上勉
18.ゴメスの名はゴメス     結城昌治
20.危険な童話         土屋隆夫

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 僭越ですけど、僕の日本ミステリー・ベスト15を書かせてもらいます。

1.不連続殺人事件       坂口安吾
2.虚無への供物        中井英夫(塔晶夫)
3.黒死館殺人事件       小栗虫太郎
4.点と線           松本清張
5.刺青殺人事件        高木彬光
6.蝶蝶殺人事件        横溝正史
7.獄門島           横溝正史
8.本陣殺人事件        横溝正史
9.船富家の惨劇        蒼井雄
10.殺人鬼           浜尾四郎
11.陰獣            江戸川乱歩
12.疑問の黒枠         小酒井不木
13.危険な童話         土屋隆夫
14.人はそれを情死と呼ぶ    鮎川哲也
15.占星術殺人事件       島田荘司

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 ベスト10はほぼ同じ作品だが、僕は本格しか挙げていない。
あ、陳舜臣が漏れてしまった。“炎に絵を”など、小味だが本格推理小説の醍醐味を堪能したものだ。
松本清張が芥川の味わいがあると書いていたが、陳舜臣の文体は平易だが、気品があり、悠々としていた。

 坂口安吾の“不連続殺人事件”と松本清張の“点と線”についてだけ、付言しておこう。

 坂口安吾の最高傑作は、やっぱ“桜の森の満開の下”だと思っている。
ここでは、“不連続殺人事件”が全日本の探偵小説のなぜ、ベスト1に推されてしかるべきと考えたのか、について書く。

 巧妙な伏線、物語展開、全編に仕掛けた大トリック、ゾクゾクする面白さ、そして意外性、そのすべてにおいて文句なしである。
登場人物の一人ひとりが、ニヤニヤ、ゲラゲラである。達者なものだった。
まあ、クライマックスが“赤毛のレッドメーンズ”のようで、本格推理小説の醍醐味をとことん満喫できた。
やっぱ、日本推理小説史上、燦然と照り輝く高峰である。

 松本清張の“点と線”だが、当時とて、ある交通手段がバレバレであるとの指摘があった。
だが、それが天から念頭にないというような書き方が凄いと思った。
三分間のトリックだけだろうという指摘や、アリバイ破りはアリバイ破りだと読み取られた時点で失敗作だという指摘もあった。

 前者は三分間トリックで認められたわけではない。
当時の香椎駅と現場付近の検証や雑誌“旅”に連載されたためか“紀(季)の小説”といった趣が楽しかったのだ。

 後者はアリバイ破りの醍醐味を理解しようとしない、当時の一部マニアの偏狭さを示すものだ。
そのわりに、密室での機械トリックには寛容な時代だった。もちろん、機械トリックが心理トリックより劣るという短絡した議論にも与さない。

 松本清張のミステリには、その後の“ディスカバー・ジャパン”や“小京都ブーム”、そして“レトロ”まで包含する旅情があった。
だが、さすがに舞台を外国に置き換えた時代となると、旅情は希薄になり興ざめは拭えない。

 晩年の“彩り河”や“熱い絹”は、モロ破綻を来たしているが、圧倒的な筆力を見せつけた作品になっている。渾身の力作だ。

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by nonoyamasadao | 2008-01-14 13:44 | 本格パズラー | Comments(2)

僕の本格短編ベスト10(海外)

昨晩は、ショーン・コネリー主演の“ロシア・ハウス”とウォルター・ヒル監督の“クロスロード”を見た。
どちらも面白かったけど、“クロスロード”は、ワクワクする興奮を久しぶりに味わいました。
このころのウォルター・ヒルの作品は、“またやってくれました!!”という感じだったなあ。

まあ、ロードムービーといっていいのでしょうけど、青春映画のようでもあり、80才の老境を描いたようでもあり、音楽映画でもありました。
う~ん、ノルタルジックでもある。夢見るような感じもある。ホント楽しい映画ですから、未見の方はぜひご覧あれ。
あ、音楽なんですけど、ライ・クーダーが実際は演奏しているそうですが、ボトルネックギターが見事でした。
ギター合戦がすっごく盛り上がりました。すっかり、いい気分になりました。

“ロシア・ハウス”はスパイスリラーの巨匠ジョン・ル・カレの作品が下敷きだそうですが、
さてと、スパイスリラーとしてはどうでしょう。ぬるいですね。僕はスパイスリラーとしては評価しません。けれど楽しいモスクワ観光映画でした。
ショーン・コネリーとミシェル・ファイファーの冒険恋愛映画として見ると、そりゃもう、上出来でした。

ショーン・コネリーはこの映画のとき、もう60才なんですね。
“エントラップメント”なら、69才ですよう。驚いてしまうではありませんか。
いいなあ、ミシェル・ファイファーやキャサリン・ゼタ=ジョーンズがお相手なんて。。。なんか髪の毛も増えているみたい。
ふ~ん、天と地の差とはこのことだなあ。さみしいなあ。。。な~んて、うらやましい気分で見ていました。

さて、昔、ジョン・ル・カレについて少し書いたことがあります。
コーヒーにたとえまして、アロマ(妙趣)とフレイバー(雅稚)を楽しみましょう。。。な~んて書いたのを憶えています。
若かったから、知っている言葉を総動員したのでしょうけれど、日本語になっていませんね。
日本語は今でも下手なんですけれど。。。まあ、当時の僕はミステリなくして、夜も日も明けぬという時代でした。

その頃に読んだ短編ミステリについて、遠くなった記憶を呼び起こしてみました。けど、呼んでも起きてくれないというか。。。今はもう忘却のかなたという感じなんですよ。困ったサンの成田山新勝寺でした。(意味不明でしょうな、アハハ)

あ、最近の京極夏彦さんや森博嗣さんなんかは、よくわかりません。
もしかして、島田荘司さんあたりから時間がとまっているのかもしれない。

まあ、そんなレベルだと考えて頂いて、まず海外本格短編ベスト10から書きましょう。
さすがに、クレイトン・ロースン“天外消失”やカーの“魔の森の家”のような有名すぎるのは外していますが、でもねえ、やっぱ、これだけは外せないという傑作は残しました。
ネタばれしないように書きます。

僕の本格短編ベスト10

1位 E.A.ポー:“黄金虫” 初読のときのたまらない面白さ、忘れがたし。暗号ものの大傑作。

2位 E.クリスピン:“列車にご用心” 新本格の好短編。まあ、よくできています。

3位 M.アラン:“エリナーの肖像” 肖像画の女性が訴えかけるのは。。。文句なしの傑作!!

4位 A.バークレー:“偶然の審判” “毒チョコ”の原型ですね。驚異的作品ではないけれど、細部まで考え抜かれた作品。

5位 R.アーサー:“ガラスの橋” 雪に囲まれた丘の家から女性が消えた。。。どういうわけか上位になった。

6位 F.ブラウン:“笑う肉屋” 雪の上の足跡トリックの成功した短編。珍しい。

7位 J.フットレル:“十三号独房の問題” 独房からの脱走。技巧派ミステリだが、なつかしくなって選んだ。

8位 M.シャーマン:“機知の戦い” 背負い投げが二度、三度と。。。これこそ機知の戦いだ。でも本格とはいえないでしょうね。

9位 H.ケメルマン:“九マイルは遠すぎる” 九マイルは遠すぎる。。まして雨なら尚遠い。これと、“奇妙な足跡”、“百万に一つの偶然”は外したかったけど、これ大好きだ。泣けた、泣けた。

10位 E.フェラーズ:“時計だけが知っている” 鮎哲先生みたいだった。

別格: J.サーバー:“マクベス殺人事件” さすがさすが。あ、マクベスを知らないとダメ。
別格: サキ:“盲点”  おそろしい。やっぱ、傑作!。結末が凄い。

オマケ:E.G.ホック:“長い墜落” 前に書いたので、省略。

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by nonoyamasadao | 2008-01-09 12:52 | 本格パズラー | Comments(0)

英国新本格の旗手と最後の日活ヌーベルバーグ~赤川・相米論

今日、書くのは赤川次郎さんと映画についてですが、赤川次郎というと、ぬるいミステリだと思ってませんか。
毒にも薬にもならないような、コロコロとお話が転がって、”ハイおしまい”のようなお手軽な作風だと思われておりませんか。
えっ、違う?
だったら、お呼びでないってことで、こりゃまた、失礼致しましたって退散します。
ええ、そうなんです。只者ではありませんでした。
赤川次郎さんはデビューしたときから、5年間くらいは大変な俊才でした。
”幽霊列車”、”ひまつぶしの殺人”など短編ミステリですが、イギリス新本格タッチの良質なミステリの稀有な書き手だった。
エドマンド・クリスピンに少し、似ていたかもしれない。
イギリス的格調とスラップスティック的なドタバタのおかしさと、なにより堂々たる本格パズラーの規矩が遵守されていた。

 テレビだけど、岡本喜八演出の彼の処女作”幽霊列車”は伝説的な傑作であります。
岡本喜八演出の小太刀の冴え、絶妙なテクニックが横溢した”ああ爆弾””江分利満氏”時代の演出の再現だった。
 今となると、作家的には才能の切り売りになった三毛猫ホームズ・シリーズだって、初期はパトリシア・モイーズみたいなアット・ホームな雰囲気があり、とても楽しかった。初期の数作は謎解きパズラーでした。

 そして突如、”マリオネットの罠”というルース・レンデルのような長編を書いた。
レンデルのような・・・という表現は実は、赤川先生に対してとても失礼で、レンデルの"薔薇の殺意”の邦訳と同じ年の作品である。
原書で読んでいたのかは知らないけれど、深い森の中のサイコ・サスペンスで、評価は高い。
ボクも堪能した。

 まあ、対比させた海外ミステリ作家はみんな、イギリス正統派ミステリ作家であります。
たとえばの話だが、アメリカのクレイグ・ライス、シャーロット・アームストロングやマーガレット・ミラーがダメというわけではない。みんな一級のサスペンス作家で大好きである。
もちろん女性だから。。。というわけじゃありません。

 赤川さんはストイックな方です。よくある青春のぎこちなさとも違う。たとえば、こんな感じですね。
♪いつもの小道で 目と目があった 
♪いつものように 目と目をそらせた
よくありがちな、永六輔さんが描いた青春の甘酸っぱさとも違う。永さんの詞は彼の秀作である。八大さんの曲もシンプル。まあ、通り過ぎるだけでデートになった時代である。考えてみれば、これぞ、ロマンティックなのだ!。。。などと思う。

 赤川さんはなかなかのハンサムだから究極のシャイなのでしょう。。。たぶんそういうお人柄なのだと思う。才あって、若くして世に出たから、生々しい女性は描けなかったのでしょう。
かえって、それが爽やかな風になって、作品に流れていた。

 スティーブン・キングにも、”スタンド・バイ・ミー恐怖の四季 秋冬編”(映画:スタンド・バイ・ミー)、”刑務所のリタヘイワース”(映画:ショーシャンクの空に)、”ドロレス・クレイボーン”(映画: 黙秘)のように、普通小説っぽい佳作がある。赤川次郎にも"愛情物語”や”ふたり”とか、読ませるお話もあった。
ウェブスターの足長おじさんみたいだったり、親と子を描いたグッとくるのも上手い。


 赤川次郎原作の映画の話を、少し書きます。いろいろと取り散らかしておりますが。。。。”セーラー服と機関銃”は相米慎二監督の第二作目である。
実はこれ、吉祥寺東映で、お正月に観に行って、お子様ばっかりで穴があったら入りたいくらい恥ずかしかった記憶がある。
30才になっていた。”翔んだカップル”の時は平気だったのに・・・。

 相米慎二というと、いつも思い出すのが彼が選んだ邦画ベスト10です。
戦前の伊藤大輔作品から始まって、加藤泰監督”男の顔は履歴書 ”や蔵原惟繕監督の”硝子のジョニー 野獣のように見えて”なんかを選んでいる。これはこれは、わたくしと似た趣味のお方がいるものだと思った。
 だから相性がいい。ワンシーン・ワンカットも気にならない。
さすがに”ションベン・ライダー”は冒頭の8分より、材木置き場のシークエンスだけは,ムリがあるなあと思った。

 長さだけだったら、デ・パルマの”スネーク・アイズ”の冒頭は13分だし、ヒッチ師匠の”ロープ”もカット割りされているけど(ヒッチ師匠のは高級ですが)、テン・ミニッツ・テイクでした。
でも、原日出子の歌う♪”雨降りお月さん 雲の蔭”のシーンや河合美智子がある理由から(恥ずかしい。書けない)、海に走りこんでしまうシークエンスなんかは、素敵な絵だった。

 結局、相米が素敵だったは、”雪の断章 情熱”までである。
この映画の原作は少女マンガそのものだが、嫌いではなかった。
プログラム・ピクチャーの枠組みの中で、実験や即興性を試みたのが面白かった。
移動撮影や手持ちも多い。

 ”セーラー服と機関銃”は同録が多かったからか、劇場のときは音が割れて、かなり聞き苦しかった。
でもDVDを観ると、タイトルバックから坂道を使ったり、大俯瞰、ズーム、ロングなどいろいろ、やっとるわいという感じで楽しめた。
薬師丸ひろ子のマンションの室内は、とくに手持ちが多い。

 驚いたのは、マンションの部屋を外から横移動しながら、手紙とオヴァーラップさせながら、マンションをグルリと半周する。。。そして薬師丸がベッドまでゆくシークエンス。荒技ですが、凝っていた。
バイクのシークエンスは前のバイクから手持ちカメラか、バイクに据付けたカメラで撮ったのだろうが、ブレと焦点ボケが酷かった。けど、あれはあれでいいのだと思う。映像のダイナミズムがあった。

 薬師丸ひろ子と渡瀬恒彦のビルの屋上での二人だけの解散式のシークエンスは、斜め俯瞰のロング・ショットで、カメラが近づかない。焚き火のシーンがある。ズームインしないところが、秀逸でした。
人物は小さくて、表情なんかはまったく判らない。
でもセンスある構図でした。寄らなくても、二人の雰囲気が絵に滲んでいる。こういうのが素敵なんですね。
相米はつくられた”美”ではなくて、”いのち”を撮る監督なんだと思った。
もう一つ上のランクを望むとすれば、二人があれだけ遠く離れているのなら、しかもカメラが寄らないスタイルだったら、二人のセリフは字幕スーパーで処理してほしかった。
これ、蔵原惟繕監督が”愛の渇き”で、スーパーでやっていたので、やりにくかったのかもしれない。

 昨年のTBSドラマの長澤まさみバージョンのセーラー服は、むごいほどヘボでした。
堤真一が”さよならは別れの言葉じゃないんですよね”とか言わされている。あれは、気の毒だった。歌詞がセリフって噴飯!!だけど、舞台俳優の堤真一もえらい。よくやった、さすがプロです。

 このテレビはつまらなかったけど、まあ、浅草の添景と最終回のラストシーンで、正面を長澤まさみが歩いていると、死んだめだか組の面々が一人、また一人と増えていくシーンがある。
まあ、”Gメン‘75”のオープニングの 丹波哲郎を中心に7人が横に並んで歩いているシーンみたいだった。全員揃って完成するんだけどそこだけは、面白かった。

 映画にもどりますが、ラストの霊安室での渡瀬恒彦の遺体との対面の後、歩道橋でハモニカを吹いて、名詞を破って捨てる。
そしてテーマ曲。
ここから振り返ったりしながら、雑踏をプラプラと歩いて、”七年目の浮気”のパクリのスカートが捲くれ上がるところまでの長まわしは、あれは、エキストラを使っていない。子供の演技は子役でしょうけれど。

 新宿の歩行者天国の雑踏は即興でやったのだと思う。
たぶん、三丁目の新宿東映あたりからズームで撮っていたのでしょう。
紀伊国屋書店前あたりだから、十分、捉えることができる。
これ、シネマ・ベリテの手法でとてもよかった。

 DVDだと、ブラックアウトが三回ある。ジムジャームッシュ独特のシーンが変わる時の暗転なのですが、あれは、DVDのときに編集されたものではないか。

 まあ、粗だらけの作品だけど、アイドル映画というプログラム・ピクチャーの制約の中で、実験性を追求したという意味で、日活最後のヌーベルバーグ足りえたっていうことではないでしょうか。日活で助監督をしてましたので、物語の濡れた部分は田中陽造さんのタッチに少し似てる。

 大林監督の”ふたり”と比較検討しようと思っていたが、さすがに冗長になるので、終電が近いから、今夜はもうおしまいってことにします。
でも、全部読んでくれた方が、もしおられたなら、その方には足を向けて寝られません。

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by nonoyamasadao | 2007-10-21 21:45 | 本格パズラー | Comments(6)