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いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
by ののちゃん
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 いままででの人生で、一番通った店は居酒屋だと思う。たぶん、これは間違えないと思う。それが今や、1ヶ月に10日の飲酒。辛いよ~。休肝日の過ごし方ってむつかしい。 それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。 う~む、ボクの方は、こりゃ実感だなぁ。
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"ふくろうの河”"記憶の扉”と”透きとおった時間”

 石原慎太郎の初期短編に、”透きとおった時間”(1956)というのがある。
まあ、ドン引きしないでくださいよ。初期には傑作があった。レフトウィングの私がいうのだから。
大江健三郎もあとがきで、これを書いたあとで死んでいたら、太宰治など彼の比でないと書いていたんだから。

 さてそこで、ロベール・アンリコの"ふくろうの河”(1962)とジョゼッペ・トルナトーレの"記憶の扉”(1994)を観ていない人なら、あとは読まないほうがいいと思う。
ミステリではないけど、そうした味わいがあるから、知らないほうが楽しめると思う。。。
だから、読むのはやめてください。

”透きとおった時間”だが、初期短編集に収められていたが、手元にないので、記憶を頼りに書く。

 大学の運動場で、学生たちがラクビーの試合に興じている。
ラックからすばやくボールが出ると、ラガーたちがボールを追って、散り散りに走ってゆく。
一人だけ、その場所から動かないで、うずくまっている男がいる。
やがて、かるく転倒して、そして動かなくなる。
仲間たちが心配して取り囲むが、転倒した男は下半身が麻痺していることを自覚している。
また、彼は自分がきわめて重篤であるのも知っている。
彼はタンカーで運ばれ、試合は続行される。

 短編では、この致命的な怪我を負った男の意識の流れを綴っていく。
山を登ったこと、そして雨が降ってきて、ヤツデの葉に大きな蛾がとまっていたことなど、男の心象風景のディテールが流れるように描写される。
それは瑣末で、どうでもいいようなことばかりだ。
だが、意識に色濃く刻まれた風景だった。

 やがて、試合は終わり、仲間たちが見舞いにやってくる。
病院の廊下にスパイクシューズの音が響く。
彼は朦朧とした意識で、その音で仲間たちが駆けつけたことに気づく。
彼はなにか言葉をいう。仲間たちはそれが聞き取れない。
彼は死に際に、もう一度、必死に一言をいう。
仲間は彼に耳を寄せて聴いている。
”いま、なんていった?”と、他の仲間たちが質す。
"チクショウ”って言った。-

 上があらすじだ。再度、おことわりをしておきましょう。以下は映画のネタバレですので、ご用心ください。

 "ふくろうの河”だと、絞首刑から逃げ出した男が泳いで泳いで、追ってから逃れて一軒の家にたどり着くが。。。戦慄の結末。処刑は執行されていた。

 "記憶の扉”だと、警察署長と容疑者との長い尋問が描かれ、その中で、容疑者の過去に埋没していた記憶がだんだんと鮮明になってゆくが。。。。結末、実は彼は死んでいた。

 こういうことって、あるのかな。
抗しえない"死”だが、その相克の中に、存在感があるってことなのか。
by nonoyamasadao | 2007-08-09 12:56 | 短編小説・詞・詩 | Comments(0)
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