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いつでもどこでも映画と読書、あとなんだろう
by ののちゃん
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 いままででの人生で、一番通った店は居酒屋だと思う。たぶん、これは間違えないと思う。それが今や、1ヶ月に10日の飲酒。辛いよ~。休肝日の過ごし方ってむつかしい。 それで学生時分に戻って、いつでもどこでも映画と読書に明け暮れようと思う。大好きな川上弘美さんは、読書三昧の毎日を、なんだか彩りに欠ける人生ではありますと謙遜して書いていた。 う~む、ボクの方は、こりゃ実感だなぁ。
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夏空の忘れ物

  出し忘れの郵便物を投函しに、郵便局へ行く。近くの大学を通り抜けると近道だ。
夏休みの大学は、ひっそりとしていて、ほんのりさみしい。
母校でもないのに、郷愁のようなものがぐっと胸に迫ってきて、意味なくせつなくなる。

 半月型の大きな図書館の芝の築山に巨木がある。
繁った緑のてっぺんに白い花が咲く。まことに見事なものである。
遠くから、じぃっと見上げる。
 あの木はなんだろうと考えたが、思いつかない。
ネムノキのようにも、にせアカシアのようにも見えるが、違う木だ。

 女子学生が数名、スーツ姿で歩いてくる。
無関係なのに、ドキドキする。
しばらくしてから、ああ、就職活動なのかと気づく。なんだか、まぶしい。

 NYの街角で、美しいサマードレスの女たちに偶然出会ったら、どんな気分になるのだろう。

 勝手知ったる大学のキャンパスなので、裏門を通って外にでる。
けれど間違えた。見知らぬ道に出た。
狭い、だらだら坂の道だ。どこかで犬がわんと吠える。
住宅の百日紅の紅が、夏空に輝いている。

 昼下がりの坂道を、ゆっくりゆっくり歩くと、時間が停止しているようだ。
理想的な老後とは、こんな閑散な瞬間をいうのだろうか。

遠い昔、真面目に悩んで生きていた頃、友だちと『裕次郎坂』の20数段のきざはしを下った。
雨の日だった。雨に濡れ、こまかな花が咲く秋だった。
『裕次郎坂』は今も、山手線の車窓から間近に見える。
 
 還暦の夏空は高くて、まだ暑いのだけれど、乾いた空気の中でいい気持ちになった。




by nonoyamasadao | 2010-08-22 15:59 | 雑文 | Comments(0)
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